私はミチルさんに嫌がられないかドキドキしながら、これまで寄りそってくれたことへの感謝の手紙を渡した。
ミチル
じゃあ、あとで大切に読ませていただきます!
ミチルさんは手を合わせておがむポーズをしたあと、手紙をポケットに入れていた。
帰り道ー
ミチルさんからうれしいと言われたことがすごくうれしくて、
これからは私もうれしいって言うようにしよう♪
オカクミ
と、ホクホクした気分で帰った。
それから1ヶ月後、
ミチルさんは後田ユウコとうちに遊びにきてくれた。
学生時代の思い出ばなしに花が咲き、時間はあっという間に過ぎていった。
長男が1歳になったころ、ミチルさんは1人でうちにきてくれた。
ミチル
お祝いはどんなことしたんですか?!
オカクミ
そういって誕生日会の写真をみながら
元気に生まれてくるのはキセキだ、という話になった。
ドラマ「コウノトリ」の話や、
友人が妊娠中に赤ちゃんの腎臓が2つともないことがわかり、中期中絶をしなければならなかったこと…。
ちょうどそのころ、後田ユウコが妊娠12週で流産していた。
生まれてくるって本当に奇跡ですね。
ミチル
とミチルさんは残念そうに言っていた。
無事に生まれてくるのは決して当たり前のことじゃない。
染色体異常がある場合、流産することが多いと言われており、生まれてくることができるのも少数。
ダウン症の子も8割は流産し、残りの2割が生まれてくることができると言われている。
染色体異常があっても元気に生まれてくることができた長男。
本当にすごい存在なんだ。
そう思った。
しばらくして、私はまた妊娠することができた。
長男を妊娠するまでは長かったが、今回は比較的あっさりだった。
私には甲状腺機能低下症という持病がある。
かかりつけの病院に妊娠を希望している旨を伝えると、チラージンという薬が処方された。ホルモンが補充されるそうだ。
それですぐ妊娠できたのだろう。
心拍が確認できる妊娠7週のとき長男を出産した産院で受診することにした。
診察前に看護師さんから
看護師
オカクミ
今回は、決めていた。
名前
看護師さんは表情を変えることなく言った。
ケゲンな顔されたりするかなー、と心配していたが今は受ける人が多いのだろうか。
診察室に通される。
長男にダウン症がある、と告知した医師が担当だった。
先生
はい、おかげさまで!
オカクミ
先生
内診台にどうぞ。
内診台に上がる。
エコーの画面が映し出され、胎嚢がみつかった。
先生
……。
うーーーん。。
先生は深いため息をついて、こう言った。
先生
今日、しましょうね。
取りつくろうかのような、子宮がん検診。
私もなんとなく、エコーの画面をみて胸騒ぎがしていた。
2週間後、その胸騒ぎは現実のものとなるー
つづく。
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